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下村 祐介; 佐藤 拓也; 福井 康太; 工藤 健治; 吉岡 龍司
JAEA-Review 2018-023, 220 Pages, 2019/01
平成27年9月11日、日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター廃棄物管理施設の固体集積保管場IIにおいて、アスファルト固化体封入ドラム缶(アスファルトドラム缶)4缶からアスファルトの漏えい跡が確認された。また、その後の点検において、平成27年11月10日にアスファルトドラム缶1缶からアスファルトの漏えい跡が発見された。さらに、平成27年12月2日には、アスファルトドラム缶1缶に、アスファルトの漏えい跡は無いが上蓋の腐食が激しいものが確認された。アスファルトドラム缶からのアスファルトの漏えい跡について、原因の調査と対策を検討するため、「ドラム缶からの漏えい跡原因調査及び対策に係る検討作業部会」を設置し、対応が進められた。具体的な検討事項は、(1)アスファルトドラム缶からのアスファルトの漏えい原因の特定、(2)アスファルトドラム缶の腐食(錆)発生原因の特定、(3)アスファルトドラム缶のアスファルト漏えい及び腐食(錆)の再発防止対策である。本報告書は、当該作業部会でまとめられた報告書「ドラム缶からの漏えい跡原因調査及び対策に係る報告書」を基に、その後の書類調査によって明らかになった内容を含めて再構成したものである。
古川 登; 近藤 利幸; 木村 之彦*
JNC TN8440 2001-024, 210 Pages, 2001/08
本書は、将来、アスファルト固化体を地中処分することを前提にした、廃棄体技術基準の整備に向けた調査に反映させるため、固化体中の核種インベントリー、代表的な固化体選定に必要な過去のキャンペーンのグループ化、処分検討時の情報提供等、貴重な情報源として活用することを目的に作成した。作成にあたっては、施設の工程、固化体の組成、貯蔵実績などの固化体製作概要、過去のキャンペーンの試験内容、トピックスを基に製作された固化体の特性や放射性ヨウ素の放出低減化、放射性炭素の施設内移行挙動などを含め、過去の試験・運転内容等の履歴を包括的に把握できるように開発運転履歴をまとめ、今後の処分の動向を見据えた構成とした。アスファルト固化処理施設は、1982年4月(昭和57年)からコールド試験を開始し、5月4日よりホット試験、10月6日より固化処理技術開発運転を開始し、1997年3月11日(平成9年)の火災爆発事故に至るまでの期間(16年間)で、低レベル放射性濃縮廃液を7,438m3処理し、29,967本のアスファルト固化体を製作した。事故により、アスファルト固化処理施設は使命を閉じるに至ったが、15年間で製作したアスファルト固化体は、将来の処分を検討する上で貴重な情報、データを保持しているとともに、処理技術とともに後世に継承する必要がある。なお、試験・運転により製作した固化体ドラム毎のS/B比、放射性核種濃度等に係るデータ類に関しては、「アスファルト固化体の製品データ集」として別冊にまとめたので、本書と対で活用されたい。
三浦 昭彦; 根本 慎一*
JNC TN8200 2001-005, 54 Pages, 2001/08
東海事業所で実施したアスファルト固化処理施設火災爆発事故の原因究明活動で得られた知見及び高レベル放射性物質研究施設(CPF)用小型遠心抽出機開発について、フランス・ニースで開催された「第9回原子力技術に関する国際会議(ICONE-9)」で報告を行い、海外の原子力関係機関等へ周知するとともに、再処理技術及びリサイクルに関する最新の技術情報等の調査を行った。
福本 雅弘; 西川 義朗*; 加川 昭夫; 河村 和廣
JNC TN8400 2001-002, 23 Pages, 2000/12
TRU廃棄物処分研究におけるアスファルト固化体の影響評価の一環として、放射線(線)によるアスファルトの劣化により生成する可溶性有機物の種類と濃度について確認した。また、硝酸塩の影響についても合わせて確認した。その結果、放射線(アスファルトが処分環境で100万年の期間に受ける線の吸収線量に相当する10MGy)によるアスファルトの劣化により生成される可溶性有機物のギ酸、酢酸及びシュウ酸濃度はそれぞれ、約50mg/dm3、約30mg/dm3及び約2mg/dm3とValckeらがEurobitum(ブローンアスファルト、MexphaltR85/40)の放射線分解の劣化生成物の影響をPuとAmを用いた試験により実施し、Boom Clay間隙水中のPuとAm溶解度は増加しなかったと示した時のギ酸、酢酸、シュウ酸の濃度より低濃度の溶出であった。また、硝酸イオンが多量に存在しても、TOC、ギ酸、酢酸、シュウ酸濃度の変化は微量であった。すなわち、放射線により硝酸イオンが亜硝酸イオンとなる過程でアスファルトの酸化的分解を促進することにより、錯体の有機配位子となりうるギ酸、酢酸を溶出させることは少ないといえる。このことから、アスファルト固化体の放射線(線)による劣化により溶出してくる可溶性有機物とTRU核種との錯体形成によるTRU核種の溶解度上昇、TRU核種の分配係数低下は限定的である。
野田 喜美雄; 篠原 邦彦; 金盛 正至
JNC TN8410 2001-010, 35 Pages, 2000/10
核燃料サイクル開発機構東海事業所の放射線管理部門においては、アスファルト固化処理施設の火災・爆発事故及びJCOにおける臨界事故という二つの大きな原子力施設事故の放射線管理対応や支援活動を経験した。これらの事故はいずれも従業員の避難を伴うものであった。特に臨界事故に於いては住民の避難や屋内退避が行われるなど、一般公衆を巻き込んだ大規模な放射線防護活動が必要となった。また、臨界事故に於いては、継続している臨界状態を終息するための作業や、事故施設からの放射線量を低減するための作業など、原子力防災業務が実施された国内初めての事故であった。この二つの事故に対し、放射線管理部門は事故時の初期対応、作業者や施設の放射線管理、事業所周辺の環境測定等を実施した。さらにJCO臨界事故に対しては、臨界終息や遮蔽強化作業に対する放射線管理、環境モニタリング、避難住民のサーベイ、事故発生施設の排気管理などに協力したほか、各種管理資機材の貸与等を実施した。これらを通じて、これまで蓄積してきた放射線管理経験や技術等により円滑に事故対応業務を遂行したが、日頃の訓練は事故対応活動を円滑化すること、放管情報の提供は正確性に加え公衆の視点からの考慮が必要であること、事故対応には豊富な知識と経験を有する放射線管理員が必要であること、各支援組織の有機的活動には後方支援体制の確立が重要であること等を改めて確認した。
嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫; 林 孔華*; 川上 泰*
JNC TN8430 2000-003, 33 Pages, 2000/04
TRU廃棄物には硝酸塩を含む低レベル濃縮廃液を固化したアスファルト固化体が含まれる。現在、これらのTRU廃棄物の処分方法として、セメント系材料の使用を想定した地層処分施設への埋設が検討されている。TRU廃棄物の処分研究においては、処分システムの安全性に影響を与える様々な要因の検討が進められている。この安全性に影響を与える要因の一つとして、これまでに、地下深部に存在する、あるいは処分施設建設時に持ち込まれる微生物によるアスファルトの劣化が挙げられている。本研究では、微生物によるアスファルト劣化に関する知見を得るために、中性領域で好気条件または嫌気条件において活性を有する微生物によるアスファルト劣化試験を実施し、アスファルトの重量減少に基づいてアスファルトの劣化量を測定した。また、好気条件では、上記の微生物を使用し、試験溶液のpHを高アルカリとして、セメント系材料の使用を想定した試験を実施した。それらの結果から微生物のアスファルト劣化速度を算出し、微生物によるアスファルト劣化が、想定される処分環境条件において生じるか否かを調査した。その結果、上記の微生物のうち、最もアスファルトを劣化しうる微生物を使用した場合においても、低酸素状態で高アルカリになると想定される処分環境でのアスファルト劣化速度は微生物に最適な環境におけるアスファルト劣化速度の1/300以下となるとの試算結果を得た。
福永 栄*; 横山 英一*; 荒井 和浩*; 朝野 英一*; 千手 隆史*; 工藤 章*
JNC TJ8400 2000-030, 54 Pages, 2000/02
100%(乾燥密度1.6g/cm)のNa型ベントナイト成型体における微生物透過は、これまでの試験結果から想定されるように、微生物の移動は検知されなかった。100%(乾燥密度1.6g/cm)のCa型化ベントナイト成型体における微生物透過試験も大腸菌は導入部以外には検知されず、菌の移動は検知されなかった。強い還元性環境下(Eh=-500mV)でのベントナイトとNp、Puとの分配係数(Kd)への滅菌処理による影響は見られなかった。PuとNpは共に酸性側とアルカリ側でKd値が上がる傾向を示した。特にPuは、pH=36付近では、Kd値が100ml/g程度なのに対し、pH=13付近では、生菌条件で40万ml/g以上の値を示している。このように、非常に高いKd値を示した理由として、Puが水酸化物沈澱を形成したことが考えられる。
福永 栄*; 横山 英一*; 荒井 和浩*; 朝野 英一*; 千手 隆史*; 工藤 章*
JNC TJ8400 2000-029, 36 Pages, 2000/02
100%(乾燥密度1.6g/cm3)のNa型ベントナイト成型体における微生物透過は、これまでの試験結果から想定されるように、微生物の移動は検知されなかった。100%(乾燥密度1.6g/cm3)のCa型化ベントナイト成型体における微生物透過試験も大腸菌は導入部以外には検知されず、菌の移動は検知されなかった。強い還元性環境下(Eh=-500mV)でのベントナイトとNp、Puとの分配係数(Kd)への滅菌処理による影響は見られなかった。PuとNpは共に酸性側とアルカリ側でKd値が上がる傾向を示した。特にPuは、pH=36付近では、Kd値が100ml/g程度なのに対し、pH=13付近では、生菌条件で40万ml/g以上の値を示している。このように、非常に高いKd値を示した理由として、Puが水酸化物沈澱を形成したことが考えられる。
小山 智造; 藤田 秀人; 大森 栄一; 加藤 良幸; 鈴木 弘; 柴田 淳広; 重留 義明
JNC TN8410 99-027, 423 Pages, 1999/12
東海再処理施設のアスファルト固化処理施設において、平成9年3月11日に火災爆発事故が発生した。事故直後から、現場の状況把握・閉じこめ機能の回復・事故の拡大防止に努めるとともに、事故原因の究明のため精力的に調査検討を行ってきた。事故発生後2年間に及ぶ原因究明作業により、事故の原因をほぼ特定するに至った。主たる火災発生原因は、エクストルーダにおける物理的な発熱によりアスファルト混合物がドラムに充てんされる際の温度が異常に高温となったことである。この結果、充てん後の固化体中で緩やかな化学反応が継続し蓄熱発火に至った。エクストルーダ内における物理的な発熱は、エクストルーダに廃液を供給する速度を通常より低速にしたことにより発生した。爆発原因は、火災により換気機能が停止したアスファルト充てん室(R152)内にアスファルト固化体から放出された可燃性ガスが充満し、そこでアスファルト固化体の発火が起きたことによる。本報告ではこれらの事故原因を中心に、事故前・後の施設の状況、事故により放出された放射性物質の量、及び究明活動の結果得られた教訓を示す。
三浦 昭彦; 鈴木 美寿
JNC TN8410 99-046, 35 Pages, 1999/10
アスファルト固化処理施設火災爆発事故調査委員会において、爆発が生じた午後8時過ぎにアスファルト充てん室(R152)内において2回目の火災が起こったと結論づけられている。本報告は爆発後に発生した2回目の火災に注目し、アスファルト充てん室内の火災シミュレーションを実施した結果についてまとめたものである。火災シミュレーションを実施するため過去に行われた、燃焼・消火実験のデータを参考に充てん室モデルを作成し、気流温度・ふく射強度等を算出し、このデータを用いてエクストルーダ排出管(ゾーン8)への熱的影響および発火したドラムに隣接するドラムへの熱的影響を解析により求めた。この結果、爆発後にはじめに発火したドラムが30バッチで充てんされたドラムであると推定した。さらに、火災からのふく射により隣接するドラムは熱的に大きな影響を受けないため、発火したドラムは火炎により温度が上昇し熱暴走反応を引き起こしたのではなく、発火した29バッチ以降のドラムは全て高温で充てんされたものと推定できる結果を得た。
三浦 昭彦; 今本 信雄
JNC TN8410 99-044, 189 Pages, 1999/10
本報告はアスファルト固化処理施設における火災爆発事故の原因を究明するために実施された種々の解析結果についてまとめたものである。本報告における種々の解析は、放冷試験の結果を参考にして、事故直後(平成9年春から)から実施されたものであり、当時多くの物性値、化学反応系を特定できていなかったため詳細な検討には至らなかったが、本報告の後に実施されたドラム内混合物の解析の基礎となった。これらの解析では、伝熱の理論および安全性評価の理論(Semenovの理論、Frank-Kamenetskiiの理論)を基本としている。したがって、第1編において各解析に共通なこれらの理論についてまとめた。また、第2編において種々の計算結果についてまとめた。これらの計算は各々速報の形式でまとめられたため、作成順にこれを編集してある。また、おもな解析の方法は、まず放冷試験の結果を参考にして固化体モデルの条件を設定した。設定したモデルを使用し、固化体内の全域あるいは一部で発熱が生じた際にどのような温度分布をたどるかを計算した。安全性評価の理論はこれらの発熱・放熱のバランスから、どの程度の発熱が生じれば発熱が放熱を上回り、熱暴走に至るかを評価することができるため、本解析では各々のモデル・解析法における限界発熱量を見積もった。
鈴木 弘; 三浦 昭彦; 藤田 秀人; 佐野 雄一
JNC TN8410 99-043, 135 Pages, 1999/10
アスファルト固化処理施設における火災爆発事故の原因に関し、エクストルーダから排出されたアスファルト混合物が高温であったことが考えられる。小型の2軸エクストルーダを用いた試験の結果からは、エクストルーダ内においてアスファルト混合物中の塩濃度が局所的に上昇し、粘性発熱を増大させること、エクストルーダ内の塩堆積により摩擦熱が発生することなどが確認された。これらの現象は、試験の結果からエクストルーダの運転方法等との関連が深く、運転時の挙動としてトルク等に現れると考えられた。このため、これらの試験結果を基に実機4軸エクストルーダの装置構成や運転方法を整理した上で運転記録の分析・評価を行った。この結果、運転記録に塩濃縮及び塩堆積の発生を示すと考えられる挙動が多数見られ、エクストルーダへの廃液供給速度の低下によりトルク値が26Bから30Bまで順次上昇していること等が確認された。これらのことから、廃液供給速度低下によりエクストルーダ内の物理的な発熱が増大され、充てん温度が標準供給速度時に比べ高くなったものと考えられ、ドラムへの充てん時期と物理発熱進展の考察結果が一致していることを確認した。これらの評価結果から、供給速度の低下によって2軸試験で確認されたようなエクストルーダ内部での塩濃縮現象及び塩堆積現象が顕著となり、これによる物理的発熱によって充てん温度が高くなったことが火災の原因であると評価した。
重留 義明; 加藤 良幸; 鈴木 弘; 三浦 昭彦; 佐藤 嘉彦; 小山 智造
JNC TN8200 99-001, 128 Pages, 1999/07
再処理施設安全対策班では、アスファルト固化処理施設火災爆発事故の原因究明作業を続けた結果、その原因を特定するに至り、この内容を"International Workshop on the Safety andPerformance Evaluation of Bituminization Processes for Radioactive Wastes"(1999年6月29日7月2日、チェコ共和国Rezにて開催)にて報告した。また、現在もアスファルト固化処理を継続しているベルギー、フランス両国の関係者とさらに詳細な議論を行うため、両国を訪問し、技術会議を実施した。また最新の再処理施設の情報を得るため、COGEMA(フランス)及びBNFL(イギリス)の再処理プラントを訪問した。
阿部 仁; 高田 準一; 塚本 導雄; 渡邊 浩二*; 村田 幹生
Journal of Nuclear Science and Technology, 36(7), p.619 - 625, 1999/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)1997年3月11日に、動力炉核燃料開発事業団(PNC)のアスファルト固化処理施設において火災・爆発事故が発生した。アスファルト/塩固化体の燃焼に伴う煤煙発生機構及び換気系フィルタの目詰まり現象を検討するため、小規模模擬燃焼試験を実施した。PNCにおける実廃液組成を参考に模擬固化体を作成して燃焼させた。その際の燃焼挙動を観察するとともに燃焼質量とフィルタの差圧上昇の間の関係を測定し両者の関係を表す実験式を導いた。さらに固化体から放出される質量、エネルギー及び煤煙の放出速度を試験データと一次元熱流動解析コードCELVA-1Dを用いた解析結果を用いることで求めた。模擬固化体の燃焼に伴って発生した煤煙の火災発生セルから換気系へ移行率は約2.5%、また実固化体中に含有されている放射性物質を模擬するために模擬固化体に添加したCsの移行率は約9.6%であった。
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PNC TN1340 98-003, 126 Pages, 1998/09
立坑掘削に伴う地下水挙動の観測と解析, 地層科学研究における地下水調査・解析技術の現況, アスファルト固化処理施設の火災爆発事故における火災原因の検討, アスファルト固化処理施設の火災爆発事故における爆発原因の検討, アスファルト固化処理施設の火災爆発事故による放射性物質の放出量並びに公衆の被ばく線量の評価, アスファルト固化処理施設の火災爆発事故と修復作業, 粒子法による3次元ナトリウム漏洩燃焼挙動解析コードの開発, 地層処分性能評価におけるシナリオ解析のための探索型アプローチの構築, 先進技術協力に基づくPNC/CEA専門家会議報告, 運転経験に関する日欧専門家会議, 平成10年度先行基礎工学分野に関する研究成果報告会
中村 博文; 船坂 英之; 藤田 秀人; 小山 智造
PNC TN8600 97-007, 109 Pages, 1997/11
アスファルト固化処理施設火災爆発事故原因究明・再発防止対策班では、平成9年3月11日に東海再処理施設のアスファルト固化処理施設で発生した火災爆発事故に関する原因究明に当たって、今回の事故と類似したベルギー王国のユーロケミック再処理工場に設置されたユーロビチュームプラント(中レベル廃液のアスファルト固化処理施設)で発生した火災事故(1981年12月15日)に関する火災の原因物質、廃液に関する熱分析の測定値、事象の推移について詳細に調査するため、現在ユーロビチュームプラントを運転しているベルゴプロセス社へ出向き、ベルギーで発生した火災事故の経験及び情報を調査・入手してアスファルト固化処理施設で発生した火災・爆発事故の原因究明に資することにした。調査に当たっては、原因究明班から4名がベルギーに出張し、これに動燃パリ事務所の金子所長等も加わり4日間に渡ってベルゴプロセスの専門家と会議を持った。会議では、ユーロビチュームプラントで発生した事故及びアスファルト固化処理施設火災爆発事故詳細な情報を交換した上で、今回の事故原因に関する推定について議論した。なお、ユーロビチュームプラントで発生した事故に関する未入手の資料についても今回入手することができた。
加藤 良幸; 青山 誠; 米谷 雅之; 山内 孝道
PNC TN8410 97-319, 143 Pages, 1997/10
アスファルト固化処理施設で発生した火災爆発事故の発生原因を究明するため、事故発生直前の施設の運転状態を調査した。調査の結果、火災発生前のアスファルト固化体の製造時において、エクストルーダーから流下されるアスファルト混合物が通常よりも柔らかく、また充てん中のドラムからは通常と違って大量の白い蒸気のようなものが観察されていたことが運転員の聞き取り調査でわかった。(東海再処理施設アスファルト固化処理施設における火災爆発事故調査委員会の資料11-5)この観察結果とアスファルト混合物の温度との関係を把握するために、アスファルト混合物の温度をパラメータとして模擬アスファルト混合物を流下させる試験を実施した。試験実施時には、事故当時の運転員に立ち合ってもらい、事故当時と試験での流下状態の比較(230度C及び270度C試験時並びにエクストルーダ製模擬アスファルト試験時)を行った。この結果、多くの作業員は、230度Cの流動状態は、通常の運転時と良く似ており、270度Cの流動状態は、事故直前時の運転時と良く似ているという証言が得られ、事故時の流下温度は通常運転時と比べてかなり高かったものと推察できる。(これらの証言は、主観的である上に、試料が模擬のアスファルト混合物であるため、温度に関する定量的な評価はできなかった。)また、模擬アスファルトを1mの高さから流下させると流下中に放冷されて温度が1020度C程度低下することが分かった。さらに、模擬アスファルトを加熱して160度C以上になると表面に発泡層が生成するが、この泡の発生量は温度が高くなるほど多くなり、250度C以上になると発生する泡の直径がそれまでの約1mmのものから約5mmの大きなものへと変化した。発生したガスの成分はその臭い及び発生状況からアスファルトの熱分解生成物と考えられる。なお、流下させる前に十分発泡させた模擬アスファルトを流下させると流下後のアスファルト表面にはごく僅かにしか泡が生じないことから、流下中の空気の巻き込みは少ないものと考える。
九石 正美*; 長谷川 裕*; 池田 泰久*; 熊谷 幹郎*; 林 孔華*; 川上 泰*
PNC TJ1564 97-002, 20 Pages, 1997/03
TRU廃棄物の一つであるアスファルト固化体には、地下水に対して溶けやすい長半減期核種のヨウ素129を含むため、ヨウ素のアスファルト固化体からの浸出挙動を把握した。また、アスファルト固化体の長期耐久性評価の観点から微生物の共存によるアスファルトの分解挙動について評価を行った。実施項目は以下の4項目である。(1)収着データベースの作成・これまでに行ったヨウ素収着試験結果158レコードをデータベースに登録した。・同様にヨウ素収着に関する文献調査結果210レコードをデータベースに登録した。・同様に炭素収着に関する文献調査結果67レコードをデータベースに登録した。・ヨウ素及び炭素を除く18核種についてJICST文献検索を行った。収着データベースの作成の一環として以下の吸着試験を実施した。・ハイドロタルサイト(HT)のヨウ素吸着は、炭酸イオン濃度が増大すると低下した。・セメント間隙水中でのHTのヨウ素吸着も高アルカリのために低下した。(2)アスファルト固化体からのヨウ素等の浸出挙動の検討・アスファルトからの核種浸出は、添加した化合物の種類には依存せずに、充填量に比例した。・アスファルトのみではほとんど膨潤しないが、固化体は浸漬期間を通じて膨潤した。・核種の浸出速度は浸漬時間の平方根に比例した。その速度からセメント間隙水中でも200lドラム缶の実固化体は約1000年で90%の核種が溶出すると予測された。・模擬セメント間隙水であるCa(OH)2溶液中で、核種の浸出速度は蒸留水中より低下したが、NaOH溶液中ではむしろ増大した。(3)微生物活動によるアスファルトの劣化挙動の調査・手賀沼から高いアスファルト分解能を持つ菌を分離した。・好気条件において、微生物のアスファルト分解に伴って培養液中に粉末状のアスファルトが溶出された。その溶出された粉末状のアスファルトを微生物の分解物として考慮した・しなかった場合、最大分解速度はそれぞれ160と423g/m2・yearであった。・好気条件下におけるアスファルトの最大分解速度は約10g/m2・yearであった。(4)アスファルト分解によって生じる有機物の確認・好気条件下において、B6微生物のアスファルト分解に伴って培養液のDOCが急に増え、最終的に367ppmに達した。・脱窒条件下において、菌ある・なしに関わらず培養前後のDOC変化が少なかっ
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PNC TJ1564 97-001, 122 Pages, 1997/03
TRU廃棄物の一つであるアスファルト固化体には、地下水に対して溶けやすい長半減期核種のヨウ素129を含むため、ヨウ素のアスファルト固化体からの浸出挙動を把握した。また、アスファルト固化体の長期耐久性評価の観点から微生物の共存によるアスファルトの分解挙動について評価を行った。実施項目は以下の4項目である。(1)収着データベースの作成・これまでに行ったヨウ素収着試験結果158レコードをデータベースに登録した。・同様にヨウ素収着に関する文献調査結果210レコードをデータベースに登録した。・同様に炭素収着に関する文献調査結果67レコードをデータベースに登録した。・ヨウ素及び炭素を除く18核種についてJICST文献検索を行った。収着データベースの作成の一環として以下の吸着試験を実施した。・ハイドロタルサイト(HT)のヨウ素吸着は、炭酸イオン濃度が増大すると低下した。・セメント間隙水中でのHTのヨウ素吸着も高アルカリのために低下した。(2)アスファルト固化体からのヨウ素等の浸出挙動の検討・アスファルトからの核種浸出は、添加した化合物の種類には依存せずに、充填量に比例した。・アスファルトのみではほとんど膨潤しないが、固化体は浸漬期間を通じて膨潤した。・核種の浸出速度は浸漬時間の平方根に比例した。その速度からセメント間隙水中でも200lドラム缶の実固化体は約1000年で90%の核種が溶出すると予測された。・模擬セメント間隙水であるCa(OH)2溶液中で、核種の浸出速度は蒸留水中より低下したが、NaOH溶液中ではむしろ増大した。(3)微生物活動によるアスファルトの劣化挙動の調査・手賀沼から高いアスファルト分解能を持つ菌を分離した。・好気条件において、微生物のアスファルト分解に伴って培養液中に粉末状のアスファルトが溶出された。その溶出された粉末状のアスファルトを微生物の分解物として考慮した・しなかった場合、最大分解速度はそれぞれ160と423g/m2・yearであった。・好気条件下におけるアスファルトの最大分解速度は約10g/m2・yearであった。(4)アスファルト分解によって生じる有機物の確認・好気条件下において、B6微生物のアスファルト分解に伴って培養液のDOCが急に増え、最終的に367ppmに達した。・脱窒条件下において、菌ある・なしに関わらず培養前後のDOC変化が少なかっ
九石 正美*; 池田 泰久*; 熊谷 幹郎*; 林 孔華*; 川上 泰*
PNC TJ1564 96-002, 19 Pages, 1996/03
TRU廃棄物には、地下水に対して溶けやすい長半減期核種のヨウ素129及び炭素14が含まれているものも存在するため、これらの核種の移行の遅延を期待できる緩衝材の検討を行った。また、TRU廃棄物の一つであるアスファルト固化体の長期耐久性評価の観点から地下水環境を想定した溶出特性の検討と微生物の存在にる分解挙動について評価を行った。実施項目は以下の5項目である。(1)処分環境(強還元及び高pH)での天然鉱物や無機イオン交換体への核種吸着実験TRU廃棄物処分を想定した環境下において天然鉱物や無機イオン交換体へのヨウ素吸着実験を行った。(2)性能評価に使用できるヨウ素及び炭素の移行パラメータの検討放射性ヨウ素及び炭素を含有するTRU廃棄物を処分した場合の処分システムの性能評価を行うためのヨウ素及び炭素の移行パラメータを調査した。(3)アスファルト固化体からのヨウ素の浸出挙動の検討硝酸塩47.5%、CsI2.5%を含む模擬アスファルト固化体を作製し、浸出試験を実施した。浸出液には、蒸留水系及び処分環境を模擬したpHが12程度の液を使用した。(4)アスファルトを最も劣化させ易い微生物の検討分離した菌株と既存の菌株を用いて、好気条件下で微生物によるアスファルトの各画分とアスファルトそのものの分離実験を行った。(5)アスファルトの微生物分解に関するシナリオの検討微生物の生育環境、増殖に必要な栄養分、及び各バリアに対する影響を総合的に考察し、地層処分中に起こりうる生物的なプロセスを追求した。これらの知見に基づいて、微生物によるアスファルト分解に関するシナリオを作成した。